創業期のスタートアップに必要な士業について解説します

ブログ

こんにちは。株式会社アナザーパスの今野です。

初対面の方にはほぼ100%「コンノさん」と呼ばれますが、今野と書いて「イマノ」と言います。
物心ついたときからコンノと呼ばれ続けているので、最近では訂正もしなくなりました。

さて、私の名字話は置いておいて、今回は「創業期のスタートアップに必要な士業」について解説します。

結論からお伝えすると、創業期においても士業の方々は欠かせない存在です。
実際に当社は創業期から今に至るまで、幾度となく士業の先生方に助けられてきました。

  • 「そもそも士業って何?」
  • 「最初は士業の方は必要ないんじゃないの?」
  • 「士業と呼ばれる人々は具体的に何を手伝ってくれるの?」

起業したばかりの方、これから起業を考えている方向けに、今年で5期目を迎える㈱アナザーパスが自らの経験談をもとに上記の疑問にお答えします。

そもそも士業とは

「士業」とは専門的な資格を要する職業のことを指し、職務の後ろに「士」と付けて呼ばれることが一般的です。

税理業務を行う「税理士」、社会保険・労務関係の業務を行う「社会保険労務士(通称:社労士)、行政に関わる書類作成などの業務を担う「行政書士」などが代表的な士業の例です。

数ある士業の中でも創業期のスタートアップに必要不可欠であり、当社も顧問契約を結んでいる士業は以下の通りです。

  1. 社会保険労務士(社労士)
  2. 税理士
  3. 弁護士

それぞれの役割について、順番に解説していきます。

社会保険労務士(社労士)

「社労士」と呼ばれることが一般的で、役員・従業員の給与計算から従業員入退社時の各種手続き、労務に関する相談対応まで、いわゆる「人事・労務」に関するあらゆる業務を行います。

当社では社労士の先生に以下の業務をお願いしています。

給与計算

私を含む役員や社員、アルバイトの給与の計算をしてくれています。

役員は原則固定給(役員報酬と呼びます)、社員・アルバイトは時給制です。(2021年8月時点の当社の場合)

但し、役員には毎月の固定額を、社員やアルバイトには時給×労働時間で算出された金額をただ振り込めばいいわけではなく、そこに交通費を足したり、社会保険料や住民税・所得税を引いたりと、最終的な振込額(いわゆる”手取り額”)を算出するにあたってはやや複雑な計算が必要となります。

役員や経理担当でもそれらの業務を行うことは不可能ではありませんが、給与や税金、社会保険料を扱う以上、ミスは許されません。

また、特に創業期のスタートアップ企業であればマンパワーも限られているはずです。

貴重な時間はどう売上を作っていくかを考え、実行するために充てるべきで、給与計算業務に割くべきではないと当社は考えます。

当社は創業からこれらの業務を社労士にお任せしています。

従業員の入退社・社会保険加入手続き

従業員が入社・退社した際の各所書類手続きの代行も社労士にお任せしています。

役員も原則社会保険の加入が義務付けられているため、社労士と契約して最初に依頼する業務は自身の社会保険加入手続きという方も少なくないでしょう。

人事労務に関する相談対応

初めて人を雇う時、初めて人が辞める時、従業員間でトラブルが発生した時、従業員から何らかの相談を受けた時など、創業したてのスタートアップ企業には社内に前例がないため、対応に悩む場面が多いはずです。

当社がまさにそうでした。

「社員として人を初めて雇用することになったけど、必要な手続きってなんだっけ・・・」
「アルバイトが辞めることになったけれど、書いてもらう書類があったような・・・」
「社員から相談を受けたけど、どう対応するのが正解なんだろう」

上記のようなケースで経験の浅いスタートアップ経営者が独断で対応すれば、手続きに不備が生じたり、従業員との関係が悪化したりすることにも繋がりかねません。

そのような時、人事・労務のことで何でも相談できるのが社労士です。

困った時はまず社労士に相談する癖を付け、創業期は社内にノウハウを蓄積しましょう。

税理士

その名の通り「税」に関する業務を行う士業の一つです。

こちらも創業期から信頼できる税理士を見つけ、契約することを強くおすすめします。

経営者が創業以前の前職で経理業務に携わっていたり、創業時点で簿記の資格を持っていたりすれば話は別ですが、そうでなければスタートアップ経営者が最初に頭を悩ませるのが恐らくこの「税」問題です。

「法人として納める税金には何があるのか」
「何の税金をいつまでにどれだけ納めなければいけないのか」
「法人としてできる節税対策はないのか」

社労士における人事労務と同じく、税金についても不明な点は都度税理士に相談する癖を付け、社内に知識を蓄えましょう。

当社としては税金の計算以外に以下の業務を依頼しています。

収支分析

会社の売上はいくらなのか、前年、前月と比較して伸びているのか、何に一番コストがかかっているか等、第三者視点で会社の収支を分析した上で、適宜アドバイスを貰っています。

特に創業期のスタートアップ企業は忙しさや知識の無さを理由に、売上や利益ばかりに着目し、支出にまで目を向けた精緻な分析を怠りがちです。

売上は伸びていたけれど同時に人件費や外注費、広告宣伝費などのコストも上がっていて、実は赤字続きで会社が危機的状況に陥っていた、といった事態を招かないよう、月に一度は会社の収支について税理士と話す時間を設けましょう。

資金調達に関する相談

新規事業を始めるにあたり、必要な資金を「外部から調達をするか、自己資金で賄うか」はスタートアップ企業にとって避けては通れない悩みです。

資金調達をするにしても投資家からの出資を受けるのか、金融機関からの融資を受けるのか、はたまたクラウドファンディングでお金を集めるのか等、その方法は多岐にわたります。

当社は2021年8月現在、全ての自社サービスを自己資金のみで運営していますが、今後ローンチを予定している新たなサービスでは資金調達が必要になると予測しています。

その時を見据え、事業規模やサービスの収支予測からどの程度の金額を資金調達する必要があるのか、その手段は、等を税理士に相談しています。

弁護士

社労士と税理士は創業まもなく顧問契約を結びましたが、弁護士については創業4年目の新サービス開始の準備期間に顧問契約をしました。

弁護士にはクライアントやWebライターとの間で締結する契約書のリーガルチェックをお願いしたり、関係先との法的トラブルを未然に防ぐための相談をしたりと、法の側面から会社を守っていただいています。

社労士による給与計算や従業員の入退社手続き、税理士による収支分析や税に関する相談対応のように、常日頃からやり取りが発生するわけではありませんが、いざという時に法に関して何でも相談できる存在がいることは、あらゆるトラブルの前例がないスタートアップ企業にとって大きな安心感に繋がります。

当社では顧問弁護士に以下の業務をお願いしています。

契約書のリーガルチェック

クライアントや仕事を委託しているWebライターの方々と交わす契約書のチェックをし、

・どちらか一方が不当に不利になる条項が含まれていないか
・解釈が分かれるような曖昧な表現が使われていないか
・誤字脱字や日本語表現の誤りがないか

などを総合的に判断してもらっています。

また、既に出来上がった契約書のチェックをお願いすることもあれば、一から契約書を作っていただくケースもあります。

最近ではあらゆる契約書のフォーマットがネット上で無料で取得できますが、それをそのまま使用すると内容が自社サービスの内容に即していなかったり、本来明確にしておくべき事項の記載がなかったりと、契約本来の目的である、双方にとってトラブルなく円滑に取引できる環境づくりが果たせません。

契約書の作成は最初から弁護士に依頼するか、既存フォーマットを使用する場合でも過不足の有無を必ず弁護士にチェックしてもらうようにしましょう。

サービスの利用規約・プライバシーポリシーの作成

自社のホームページを開設したり、新サービスを始めたりするにあたって欠かせないのが、利用規約とプライバシーポリシーの作成です。

利用規約とは簡単に言うと、「うちのサービスを使うならこのルールを守ってね」というサービス上の法律のようなもので、プライバシーポリシーは取得する個人情報をサービス運営者としてどのように使用し、管理するかを明示するためのものです。

いずれも契約書と同じくネット上である程度出来上がったフォーマットを取得できますが、やはりそれが自社サービスの内容に合わない可能性は高く、後々のトラブルを防ぐのであれば弁護士に作成を依頼するほうが無難と当社は考えます。

実際当社はWEBライティング特化型クラウドソーシング・アナザーパスをローンチするにあたり、利用規約とプライバシーポリシーの作成を一から弁護士に依頼しました。

実績・知名度に欠けるスタートアップ企業だからこそ、”ちゃんとしている”とサービス利用者も思ってもらい、信用を得るためにも利用規約・プライバシーポリシーの作り込みは怠らないようにしましょう。

結論:創業期のスタートアップ企業にも士業は必要不可欠です

創業期であっても、少なくとも社労士と税理士は信頼できる先生を見つけておきましょう。

弁護士も最初からいることが望ましくはありますが、毎月の顧問料として発生する固定費を極力抑えたいのであれば、大きな取引が始まるタイミングや、新サービスの開始に向けて準備を始める時期での契約でも問題ないでしょう。

また士業の方々同士は横のつながりが強いので、一人の先生から別の士業の方を紹介してもらうのも信頼できる先生と上手く出会う手段の一つです。

実際、当社は創業期に顧問契約をした社労士から税理士を、その税理士から弁護士の紹介をしてもらいました。

そしえ、顧問契約を結ぶ士業を選ぶ上で当社が重視した一番のポイントは「話しやすさ」です。

仕事が丁寧且つ正確なのは当たり前として、やはり自分が十分な知識を持たない分野について、如何に気兼ねなくフランクに、何でも質問・相談できる”空気感”を持っているかが大切と当社は考えます。

こればかりは人と人との相性の話になってくるので、ぜひ創業期のスタートアップ経営者の方は多くの士業の方とお話しして、自分と一番相性が良いと思える方と顧問契約を結ぶようにしてください。