スタートアップ企業における”経理業務”で気をつけること3選!

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こんにちは!アナザーパスの今野(イマノ)です。

創業期のスタートアップ企業において、経営者が最も手を焼く仕事の一つと言っても過言ではないのが「経理業務」ではないでしょうか。

「経理業務」と一言で言ってもその業務内容は多岐にわたります。

役員・従業員の給与を振り込んだり
仕事を委託している外注先の方々への報酬を振り込んだり
領収書を整理したり
日々発生する取引の帳簿付けをしたり

地味な作業でそれが直接売上に繋がる仕事ではありませんが、会社を数字で把握することは経営者にとって必要不可欠なので、面倒だからといって疎かにしてもいけません。

私も創業2期目の途中から代表に代わって経理業務を担当することになりましたが、未だに分からないことだらけで、税理士の先生のお力を借りて毎日が勉強の連続です。(それに数学は一番キライな科目でした)

本記事では、創業5期目を迎える株式会社アナザーパスが、

・これから起業したいと思っている方
・最近起業したばかりの方

に向けて、「スタートアップ企業における経理業務で気をつけること」を3つに絞ってお伝えしていきます。

この3点だけを押さえておくだけで、日々の経理業務が劇的に楽になるので、ぜひ参考にしてみてください。

スタートアップ企業が経理業務で気をつけること1:とにかく前もって、余裕を持って

経理業務の中でも、「取引先への支払業務」はミスがない正確な作業を行うため、必ず支払い期日の2-3日前には全ての処理を終えているようにしましょう。

振込金額が間違っていたり、振込が支払期日に間に合わなかったりすれば、取引先から自社への信頼は失墜すると言っても過言ではありません。

支払業務において支払先が多ければ多いほどタイプミス等のヒューマンエラーは起こりやすくなります。

誤って本来の振込金額より0を一桁多く入力してしまったら・・・想像したくもありません。

理想的なのは、支払期日の遅くとも2-3日前には一通りの作業を終えておき、前日に再度

・金額に誤りはないか
・振込先から漏れている取引先はいないか
・振込日は正しく設定されているか

を確認できるくらいの余裕を毎月持つことです。

また、経理業務中のマルチタスクはおすすめしません。

振込金額を入力しながらメールにも返信したり、別の資料を確認したり、のような業務の進め方は必ずミスを招き、そのミスが会社にとって命取りになることも。

私は経理業務に集中する時は、よほどの緊急事態でない限りメールやチャット、電話への応対は一切しません。

また、これは私自身もできていないので自戒の意味も込めてですが、日々の取引の帳簿付けは「毎週◯◯曜日の何時に行う」のようにルーティン化することをおすすめします。

数カ月に一回溜まった取引を一気に仕訳、では作業を終えること自体が目的になってしまい、「会社の現状を数字で分析する」という帳簿付け本来の目的を果たせません。

日頃マルチタスクに追われているスタートアップの経営者だからこそ、作業系のタスクはルーティン化する癖を付けましょう。(私もそうします)

スタートアップ企業が経理業務で気をつけること2:業務をなるべくIT化すること

毎月納める所得税・住民税・社会保険料などの各種税金・保険料等は、今ではオンライン上で全ての処理を完結できる環境が整っています。

具体的には、当社では以下のシステムを使用しています。

社会保険料 PayEasy(https://www.pay-easy.jp/
所得税 e-TAX(https://www.e-tax.nta.go.jp/
住民税 eLTAX(https://www.eltax.lta.go.jp/

ですが、実は当社は2期目の前半までは最寄りの金融機関に毎月を足を運び、現金納付をしていました。

しかし現金納付の場合、そもそも金融機関まで行くことが時間の無駄ですし、ATMでは納付額を端数までぴったり下ろせないため、毎月少額の小銭が手元に残ってしまっていました。(11,243円を納めるために12,000円下ろす、のようなイメージです)

税理士の先生の勧めで電子納付に切り替えてからは金融機関までわざわざ出向く必要もなくなり、納付額がぴったり預金口座から引き落とされるため、毎回の経理処理も大幅に楽になりました。

そもそも、会社のキャッシュカードを外に持ち出すこと自体が大きなリスクであるため、これから起業する方や今現金納付をしている方は、今すぐ電子納付に切り替えましょう。

一方で、e-TAXとeLTAXは初期設定がやや煩雑なので、自身で試してみて難しければ、税理士の力を借りることをおすすめします。

また、日々の帳簿付けもオンライン会計ソフトを使うようにしましょう。

当社ではfreee(フリー)という会計ソフトを使用しています。

会社の預金口座やクレジットカードと連携させることで、自動的に入出金の内訳や利用明細が反映されるため、会計ソフトを一つ開けば会社の全ての数字が分かる状況を作ることができます。

会計ソフトはfreee以外にも多数あるため、自社に一番合っているものを社内や税理士と相談しながら決めてみてください。

スタートアップ企業が経理業務で気をつけること3:頼れる税理士を見つける

依頼する仕事が正確で丁寧なことは当たり前として、一番大切にしたいのが「その税理士が何でも気軽に質問・相談できる雰囲気を持っているか」です。

以前の記事でも書いていますが、前職で経理業務に携わっていたり、簿記の資格を持っていたりすれば話は別ですが、スタートアップ企業の経営者にとって税や経理に関する業務は毎日が分からないことだらけです。

創業期のスタートアップに必要な士業について解説します

「この取引の勘定科目ってなんだっけ・・・」
「どの税金をいつまでに納めればいいんだっけ・・・」
「節税の方法を知りたいな・・・」

上記のような疑問を如何に気兼ねなく質問できるか、つまり「話しやすさ」を税理士を選ぶ判断ポイントにすることをおすすめします。

「こんなこと聞いたら何も分かっていない無知な人だと思われるんじゃないか・・・」

とプライドが邪魔をする気持ちもよくわかりますが、経営者が分からないことを分からないままにして経営を続ける方が会社にとっては大きなリスクです。

何でも相談できる話しやすい税理士を見つけ、たくさん質問することで社内にノウハウを貯めていきましょう。

経理業務を「面倒な作業」と思わないことが大事

冒頭でもお伝えしたとおり、経理業務は作業単体で見れば、数字をひたすら入力したり、請求書・領収書をにらめっこしたりと、ひたすらに地味です。

決して華やかな仕事ではありません。

会社のビジョンについて語り合ったり、営業をして新規顧客をどんどん獲得したり、コンテンツを作ったりする仕事の方が「ベンチャー感」はあるかもしれませんが、会社の現状を正しく把握できているからこそそれらの仕事に没頭できるのだと思います。

実は赤字の状態が続いているのにそれに気づかず会社の未来の話ばかりしていて、気づいたら倒産寸前、では意味がありません。

会社の”今”を正しく理解するための大切な仕事が「経理業務」です。

これは自戒の意味も込めてですが、スタートアップ企業経営者の方は、経理業務を面倒な作業と思わず、未来を見るための今を知る仕事、と認識して日々の経理業務を頑張っていきましょう。